「あの、ちょっといいですか」
「はい、どうかしましたか」
「下というのはどちらですか?」
「重力の働く方向です。そして、いまあなたが向かっている方向です」
「重力とはなんですか?」
「あなたと地球の引き合う力の決着です。そして、いまあなたを地面に引き付ける力です」
「地面とはどこですか?」
「あなたの描く放物線の y の下限です。そして、あなたの運動が止まるところです」
きみの歪な輪郭と高等な反発係数は、
有機的な終末軌道を平面にプロットする。
そのダイアグラム。
その投影。
脚、脚、脚の森が隠すその極値を、
ぼくはただ探している。
「あの、すみません」
「誰か、いますか?」
「聞こえますか?」
「わたしを探してくれていますか?」